クジラなどの保護運動の活発化は、
動物保護とは関係のない一部のブリッシュメント(アメリカ東部の支配階級)の思惑に端を発している、
などなどの内容で興味深く読みました。
なるほど、そういうことあるかもね。
私もうっすらと、クジラやイルカに関してのジャパンバッシングの底辺には、
人種差別(レイシズム)というものもあるだろうと思っていました。
(けれどイルカクジラ保護活動に反対ではないです、賛成です。
差別に対しては毅然と抗議しないとなりませんが、保護活動自体がおかしいとは思いません。
マーブル模様のアイスのようにハッキリ分けられないものを、
差別だから活動をやめろ、とはいかないと思います。
そして種差別(スピーシーシズム)がそうであるように、差別というのは、
自分がしていながらそれに気づかない、という面があるように思います。
たとえば、中国の毛皮生産に関して、中国人自体を揶揄する発言を見かけることがありますが、
動物の解放を訴えながら、中国人を差別するのは、
自分につばをかけるようなものだと常々思います。
スピーシーシズムに反対しながら、レイシズムを自分が行っちゃうのは、悲しいことです。
だから、自分の気持ちや発言には、気をつけたいなあとよく思う。)
クジラの保護運動の始まりが、
動物保護とは関係のない人々の目的から始まっているというのが、
とても詳しく書かれてて、裏付けも説得力があって勉強になるんですが、
でも、動物実験反対運動が、医学の発展を抑えるため、というのは、どうなんでしょうか。
ロックフェラーは製薬会社からものすごい利益を得てますよね・・・?投資もしてますよね・・・?
あと、「アメリカの連続爆弾魔ユナボマーが、環境保護団体から支援を受けていた」と、
におわすような記述もあったのですが、経済的な支援をしていたのはユナボマーを通報した実の弟であったと聞いたことがあります。
ユナボマーに何の興味もない私が知っているくらいなので、
調べたらその辺もわかったんじゃないかなあ。
「誰かが援助しなければどうやって暮らしていたのか」みたいなことを書いてありましたが、
ユナボマー世捨て人同然に山で自給自足していたんですよね、確か。
うーん、弟の援助した額で爆弾が作れるのかはわからないですが。
うん、わからないんだよね。
はっきりしないことを「事実でないことを、感情に訴えて保護運動を展開している」と、
保護活動を批判されてる著者が、同じことをしてるんではないかなーと、
感じる点がいくつかあって、そこが残念だと思いました。
保護団体の指導的な立場の活動家を「表面的には純菜食主義者」って書いてあったりするのも、
うーん、表面的というその根拠が私は知りたい。
それは、「そういう団体って政治的な絡みもあるから」ってだけでは、
やや客観性に欠けるんではないかしら。
あと、動物重視の偏りをたまに指摘していますが、
動物に対する倫理的な観点がほとんど語られていなかったので、
保護団体が動物に偏りすぎるのと同じだけ、
著者も人間に偏りすぎている部分もあるのでは、と思いました。
いや、この本の言わんとすることと、私の指摘が微妙にずれてるのは薄々気づいております、
何も言わないで!
内容の些細な表現が気になって、私の見方がややあげあし取り気味なのは、
私がベジだからってのもあると思います。
ねこまるさんがご紹介なさってて、
保護活動を考えるときに知っておきたいことが書かれているとのことだったのですが、確かにです。