マンガ・いじわるばあさんを読みました。
いじわるばあさんって、この人が繰り広げているこの行為を、単に「いじわる」って言っていいのか、
そもそもこの人を「人間」って言っていいのか、というような気持ちになります。
ひたすらいじわるしてる。いじわるっていうか、時々犯罪も犯してる。
赤の他人に、自分が食べた食事代を勝手につけるなんてのは序の口、
人をマンホールに落としてみたり、たまに自分が井戸に落ちちゃって、ガリガリになって救出されたり(でも憎まれ口叩いてる)、
いじわるするために変装したり、小道具使ったり、他人はおろか、
自分自身の子供へも容赦なく、一体このばあさん、なんでこんな風になってしまったんだろうかと、
ばあさんの成育歴にまで思いを馳せてしまう暴れぶりです。
家族で旅行に行くからという理由で、自分の犬を隣家に預ける回があるんですが、
犬は雨戸のしまった自分の家に向かってフーンフーンと鳴くのです。
おとなりさんは「やっぱりおばあちゃんが恋しいのね」って思うのですが、
実はばあさんは、旅行に行ってなくて雨戸を閉め切った家に1人でいて、
「見栄ってもんがあらあな。(家族旅行に)誘ってもらえなかったなんて言えますか」ってふてくされているのです。
あんた・・・いつもいじわるばっかりしてるから・・・って激しく脱力しました。
いじわるやめればいいのに。
って思っていましたら、我らがいじわるばあさん、
「元旦位はいじわるを止めるよ」って言い出して、
みんなのためにニコニコおもち焼いたり、お茶を入れたりしてるんですが、3コマ目で突然倒れちゃって、
4コマ目では、気絶したまま布団に寝かされてるばあさんを診察したお医者さんが、
「潜在性欲求不満ショック発作でしょう」みたいなことを言ってた・・・。
このばあさんは、いじわるしないと卒倒するほどのストレスを感じてしまうんだよ・・・!
すごい笑った。
これ読んだとき、いじわるしなきゃいいのにとか、普通なこと思ってばあさんに申し訳なかったな、と思いました。
そんないじわるばあさんを生み出した長谷川町子さんは動物がお好きで、犬をひどい飼い方してるおうちに抗議の電話するくだりが、たしかサザエさんについてたエッセイマンガにありました。
いや、選り抜き長谷川町子みたいな本だったかしら?(どれだけ町子が好きなのか)
かわいいからどうぶつ好きっていうだけでなく、生きているもの自体に慈しみを感じる人なんだろうなーってのが端々で伝わるマンガだった。
サザエさんも面白いし、長谷川町子さんてすごい天才だったんですな。
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