「さ、そろそろ寝ましょう。嬢さん行きましょう」と、リビングをおいとまする私の後を、
いつものようにテテテテッと追う嬢。
「嬢ちゃんって難聴・・・?」って心配してしまったこともあるくらい、
いつもは私以外の人の話をあんま聞いてない、オシャマでおナマな嬢であり、
父をよくひっかいては「まったくもう」とかプリプリ言ってる嬢なのですが、
かわいい嬢をリビングに引き留めようとした父の
後方からの呼びかけにピタッと立ち止まってしまった嬢。
前方のチーモを意識しつつ、固まる嬢。
どよめく私たち。(嬢が、嬢が父の声に反応してる・・・!)
ますます張り切って呼びかける父。
はたから見ても、立ち尽くした嬢の心がちりじりにかき乱されてるのがわかりました。
嬢ちゃんが、悩んでる!
チーモ:「どうするの、どうするの嬢ちゃん!」
母:「どうするの、どうなの嬢ちゃん!」
嬢ちゃんはどうしたか。その場にペタリ・・・と座りこんでしまいました。
嬢ちゃんが、嬢ちゃんがー! こんなか弱い女の子だっただなんてー!
父は、
「嬢ちゃん、かつおぶしあげるよ!」 って言ったんです。
最近、父と嬢の間では、かつおぶしを介した交流があったようなのです。
どうりでなんか2人でこそこそしてる時があると思ったら。
嬢も妙ーに、父にやさしいと思ったら。
でも嬢ちゃん、誇り高い子だから、かつおぶしで釣られるのいやなんだと思う。
まして冷たくしてきた父に。しかもみんなの目の前で。
すぐにかつおぶしもらいに行ったりなどできなくて、
そりゃ、ペタン・・・って座り込みもしちゃいますよね・・・。
悩んじゃったんだ・・・かわいい。
「よかったね、もらって来たら?」ってそっとアドバイスしたら、
ソ・ソ・ソ・・・と父の元に行ってました。
嬢はすぐにシャー!する子で、
父はすぐにシャー!ってされる父だったけれど、
そうかー、2人は2人なりに、愛を育んでいたのだな。
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