テリトリーの見回りをする。
その中の一つ、図書館の児童コーナーで借りました。
子供向けって(大人向けでもだけど)希望を匂わせたり抱かせたりして終わるものが多い。
私も希望は必要だと実感しているし、希望の力をとても信じている。
同時に、なんでもポジティブに美しく、希望を抱かせてまとめてしまうのが好きじゃない。
いえ、ポジティブが嫌なんじゃなくて、ポジティブは好きなんだけど、
事実から目をそらして生み出されるポジティブが、好きじゃないのです。
ネガティブより残酷で、たちが悪いと感じるのです。
そのバランスって、まだまだ自分ではとれてないのですが。
アリス・ウォーカーさん。
作家でアクティビスト。怒りからも前進する力をめいっぱい紡ぎだす人。
時々その怒りに、こっちの胸がいっぱいになってしまうけれど、好きです。
ウォリアーという言葉は、彼女のためにあると思う。
そんなアリスさんの絵本。
「戦争だって
じぶんの考えはもっているわ
だけど けっして知ろうとはしないのよ
じぶんがいまおそおうとしているのが
だれなのかを」
「子育て中の母親たちのところにも
戦争は
やってくるの
戦争は何も見ようとしない
ミルクの大切さを
なにより人間の大切さを
見つめることができないのよ
戦争は」
この絵本には、希望がなかった。包み隠してなかった。
いや、希望はあった。書かれていました。
世界中の「わたし」の、ただそこに生まれて、営まれる普通の生活が。
そして、音もなく近づいてきて、わたしたちを破壊する戦争のことが。
世界中のわたしたちが、そこにいて、おびやかされることなく日々を暮している。
それ以上の希望って、なんでしょうね。
最後に、暗に選択肢だけが示されて、終わります。
アリスさんは誠実な大人だと、思いました。
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