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チモッキ

思ったり、感じたり、言ったりしたこと

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梅雨明ける明け方に

嬢は旅だったのである。
あとひと月弱で、9歳であった。

「嬢ちゃん、梅雨明けの日だったね」
嬢の旅立ち後、指摘されて、知りました。

夏が近づくたび、ここ数年体調を崩していた。
「嬢ちゃん、秋まで頑張って。そしたら元気になるから」
わたし気を張ってたんだけど、1回口にしたら気持ちが弱っちゃって、
調子悪く横たわる嬢の横に、チーモも横たわって、
涙つるつる出しながらお願いしたんだ。

夏が嫌だった。
嬢の命を、削られるようでこわかったです。

そしたら夏になる日に、美しい朝に、旅立った。
嬢ちゃんよ。

お前は、チーモを愛して、ほんとにやさしい子だった。
ひっかいたり、噛みついたり、えばったりはしたけれど、
ものすごくかわいくて、
「かわいいかわいい、愛してる」ってチーモ本気で言ってたけれど、
チーモの愛よりずっとずっと、嬢の愛はでかかった。

チーモたちの好きな秋までは、がんばれなかった。
でも、お医者さんが「嬢ちゃんは、嬢ちゃんの持って生まれた身体能力を目いっぱい使いきっていきました」と、言っていた。

嬢ちゃんはがんばった。使い切った。
嬢ちゃんががんばったから、チーモももっとがんばる。
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