チーモがひっそりと泣いていると、必ず嬢が声かけてくる。
「フ、フ、フ?」とか、「ア、ア、ア?」とか言ってくる。
なぜばれるのでしょう。
黙って泣いてるのになぜ。身じろぎもせずにいるのになぜ。
同じ部屋にいるときは、音を立てなくても、涙の匂いがするのかな?と思うのね。
涙の匂いってどんな匂い。まあまあ。
違う部屋にいても、「つるっと涙が落ちた瞬間」と言っていいタイミングでやってくるのよ、あの方。
そして声かけてくるの、しれっとした顔して。どうした、なに泣いてんの、みたいな。
なにその大人っぽい感じ。
嬢、チーモのこと好きだから、きっとアンテナがすぐに察知するんだなあ。
たまに、嬢に声かけられて初めて、自分が泣いてるのに気づくことがあるほどです。
嬢のが先に気づいちゃってるよ。
今回はこちらを見ててね、まあちょっとね、涙がね。
世界中ついてきたフィンヘ
さようなら親愛なるフィン
幸せな犬と幸せな人の話。
幸せで、愛しくて、胸が、ギューッとする。
嬢には、
言っとくけど悲しくて泣いてるんじゃないんだからね、か、勘違いしないでよ!?って
言っておきました。ツンデレっぽく。
ところで「ツンデレ」って、いつか書いてみたいものだとなんとなく思っていた。
そして人生で今、はじめて書きました。たぶん。
そこで寝てる嬢を、床でセクシーに転がってる嬢を、
走り回る嬢の後姿を、目が合うと目を細める嬢を、
私を見つけて部屋に入ってくる嬢を見て、時々、ほんとにたまにだけど、思います。
ああ嬢よ、チョコチョコと動き回り、考え、感じて、生きている、
かわいいかわいいあなたとも、いつか離れるのだね。
私たちが、ここで、一緒にいる。
今、奇跡の中にいるんだと思う。
すごいな、一緒にいるってすごいな。
今日も楽しそうに散歩してたこと。
自分で食べれるのに、猫草食べさしてってすぐ甘えて言うこと。
6歳にして、歯磨きができるようになったこと。
今日も嬢は、チーモを見ててくれたこと。
嬢がいてくれることが、どれだけ幸せかもう、わからない位幸せなこと。
ずっと覚えてられますように。
って言っても忘れちゃうんだよね。うんうん、それでいいんだ。
覚えておきたいって強く強く思ったんだってことを、
いつか私たちが、この世でのこの形を終えた後も、時々思い出せますように。
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