そういう習性でない熊を多頭で飼育し、しかもコンクリートで囲う。
そしてそこから出ていけば、撃ち殺す。
安全のためという。仕方ないことという。
彼らが殺されたことも、世界には囲いの中の動物が、まだ他にもいることを、
仕方ないって、思わないで。
思考することを止めないで。
仕方なくなんかない。
一体何のために囲うの。
彼らの習性を無視し、自然に反する場所に閉じ込めなければならない理由が、どこにあるの。
熊に、牧場なんて関係ない。熊は、逃げ出したんじゃない。
熊が望むように、ただ歩いて行っただけ。
檻を越えたとき、一体どんな気持ちがしただろう。
見慣れたコンクリ以外の広がりに、光が見えたろうか、風を感じたろうか。
その胸は、楽しかったんだろうか、うれしかったんだろうか。
鼻の奥が、ツンとする。
いつでも動物を見られる場所が欲しいんじゃない。
命に敬意を抱く世界が欲しいんだよ。
犠牲となった熊と人の安らぎを心の底から祈ります。
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