「ゴリムチューって何?」って言ったことのある友人ロシアちゃん(ロシアにいそうな美人だから。でも性格はおじさん)と会いました。
ロシアちゃんはファミレスで席に着くなり、「最近・・・漠然とした不安が・・・」と呟いたので、
「ちょっとやだー、自殺しないでよ?」と答えると、「はぁ?なんで」と。
自死した芥川龍之介の遺書に漠然とした不安のことが書かれていたのだと説明しても、
「ふーん?」ってご反応。
もしや、もしや五里霧中に続いて芥川も・・・ロシアちゃんの世界には存在していない・・・!?
ゴリムチューって何?のロシアちゃん、息子を深く愛していて、1人で立派に育ててる。
北斎が好きで美術館に通う。でも四文字熟語に疎く、芥川も知らない(多分)。
知れば知るほど、好ましい人です。オリジナルの羅針盤を内蔵してるにちがいない。
ハエにたかられると幸せになるから、
たくさん止まられた方がいいというジンクス(チーモ作。広めたい)を知らないらしく、
普段はハエがおのれに近づこうもんなら絶対払うのに、
今回はたかられるままのロシアちゃん。いつもより多めにたかられております。
チ「腐ってる、あなた腐り始めてるんだわ!だって目も死んでるもの・・・!淀んでるっていうか・・・」
ロ「そう?やっぱりあたし腐り始めてる?なんかそんな気はしてたんだ、食欲はあるんだけどね」と腐り具合に花を咲かせました。嫌な花だ。
そんなロシアちゃんがドリンクバーに立った隙に、
チーモは立たせたメニューの陰にささっと隠れて、
眉毛描きで鼻の下に鼻毛を描いてみたんです。
ロシアちゃんが戻ってきたとき、驚くかな。
びっくりして、ロシアちゃんに渦巻いているという漠然とした不安も消えないだろうか、と思って。
ところがまだ左側の鼻毛を描き終える前に、ロシアのやつすごい早く帰ってきちゃって、
あろうことか、「なにやってんのさ」ってメニューを倒されてしまいました。空気読んでよ!
「あ・・・」って言いました、お互いに。
喜んでくれるかと思ったらロシアちゃんたら、
「・・・あんたいくつだよ(ロシアちゃんは口が悪いのです)」と。
あたしですか・・・おかげさまで30をちっとばかり超えさせていただきましたけど。
爆笑じゃなくともせめて失笑、「笑」系の反応がくるだろうとの予測を裏切って、
まさか糾弾されるとは思いませんでした。
わたし・・・世間知らずですかね。
ロシアちゃんの冷たい視線にさらされた私(まだ鼻毛あり)が震えながら身を小さくしていると、
ロシアちゃんが突然「ポフ」と吹き出しました。
描かれた鼻毛が実は1本、枝毛になってることに、やっと気付いてくれたみたいで。
ロシアちゃん!気づいてくれてありがとう!
そのあとロシアちゃん、笑顔が増えて元気に帰って行きました。
ハエには相変わらずたかられていたけれど、だいじょぶだいじょぶ、
それ幸せになるジンクスだから。よかったね。
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