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チモッキ

思ったり、感じたり、言ったりしたこと

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誰かにとっての大きな違い

法事でいった田舎。

以前訪れた際に、高速で牛を何頭も運ぶトラックや、
ばあちゃんちの近くの道では、一頭だけ軽トラに乗せられた豚を見かけたりして、
心臓が、ヒャッとしたことがあります。
あの衝撃というのは、言葉では言い表せない。

今あるものが、殺戮の場へ向かおうとしている。
言葉のない強い実感として、心に焼きつきます。
豚の泥のついた顔に光ってた、やさしい瞳。

殺戮の場は、言い過ぎだと、感じられる方もおると思うんですが、
たぶん私も昔なら、そう思ったと思う。

そこで働いて、動物を殺すことでお給料をとる人がいるだろう。
そういう辛い仕事をしてくれる人がいることで、お肉を食べられる人がいるだろう。
動物も、感謝して食べてもらった方がいいだろう。

だけどこれらすべては、これしか道がないわけでなく、ちがう選択ができる。
それであえて動物を食べることは、好きで選んでることなのですよね。
他に選択肢がある中で、望んで殺すのは、殺戮といえませんか。

というのは、なんて言ったら伝わるかしら?と考えて言葉で伝えることですが、
ノンベジの時でも、あの豚や牛を見たら、理屈や言葉抜きで何かしら感じるものがあると思う。

すっきりと心におさまらない衝撃があるのなら、
それこそが、人がベジをすべきだという理由と私は思うのです。

今回の訪問では、「〇〇ポーク」と書かれた、たくさんの豚をつめそうな運搬用トラックと、坂道ですれ違った。
荷台は空だった。
(まだ生きてる豚を乗せるトラックに「〇〇ポーク」って書いてあって、なんだかすごいね。
ポークじゃなくてピッグだろとか、どうでもいいことですかね、私にはすごく重要なことです。)

少しホッとしましたが、空だったら、なんだというのだ。
あのトラックは、どこかへ行くのでしょうか、それともどこかから戻ったのでしょうか。
あのトラックに、素直に乗った子ばかりではないでしょう。
だましだまし乗せられた子も、おしりをぶたれて、乗せられた子も。

わたし達が彼らにしてることを、簡単に、謝ったりできない。
一生、あなたたちを愛しておりますと、つぶやくのが精いっぱい。

正直、自分の食生活において、動物を殺していないという実感はうすいです。
心からくつろぐ、幸福感はありますが(それで充分満ちているという感覚はあります)、
ベジタリアンになって、ああ今日一日で××匹の命を救ったぞとか、
今年一年では××頭の命を救えたやった!とか、そういう実感はまったくありません。
やっぱり常に殺され続けているほうに、意識は向きがちですものね。

でも実際は、こうなんですって。


もしもあなたがベジタリアンになると・・・

牛6頭、豚22頭、ヒツジ30頭、ニワトリ800羽、
七面鳥50羽、アヒル15羽、ガチョウ12羽、
兎7羽に500キロの魚を苦しみから救うことになる。

(「豚は月夜に歌う」より)


日本では食肉としてなじみのない動物もいるし、
日本と厳密に同じではないと思いますが、
食べられなくても捨てられてる肉も大量にあるので、参考になると思います。


自分が肉を食べなくても、殺される命の数は、まったく減らないように見えるし、
自分が食べなくなった分、様々なことを知った分、
彼らを思って、やるせなさやつらさに、身をさいなまれることも増えるかもしれない。

けれどわたし達は、悲しみを目にするのと同じ数だけ、
いえいえもっとそれ以上に、良き面にも、しっかりと目を向けましょうね。
自分たちの選択が意味することを、忘れずにいましょうね。


ある夕暮れ時、友人の一人が寂しい浜辺を散歩していた。

そのとき、遠くの方に人の姿が見えた。
近づいてみると、土地者らしい男が屈み込んで何かを拾い、水の中に投げ込んでいる。
その男は何かを、繰り返し繰り返し、海に投げ込んでいた。
そばに寄って見ると、男は浜に打ち上げられたヒトデを拾い、一匹ずつ海に投げ返している。

友人は首をひねった。
彼は男に近づいて「こんばんは。何をしているんですか」と話しかけた。
「ここにあるヒトデを海に返しているのさ。
 今は引き潮で、このヒトデはみんな浜に打ち上げられたんだ。
 海に返してやらなきゃ、酸素不足で死んじまう」

友人は答えた。
「そうですか。でも、この浜には何千というヒトデがいる。
 全部を海に返してやることなんてできないでしょう。
 数が多すぎる。こんなこと、どこの浜でもあることだ。
 あなたがやろうとやるまいと、たいした違いはないんじゃないかな」

その男はにっこり笑って身を屈め、もう一つヒトデを拾って海に投げ返した。
「こいつには大きな違いだろうよ」


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